超音波洗浄器を買って来たのでチョコっとレポしてみます。
個人的な利用目的は、電子タバコの汚れきったアトマイザの洗浄&復活。

結果から書くと洗浄力は想像以上に強烈。(ただし洗浄にムラあり)
寿命ギリギリと思われたアトマイザーが、新品同様のレベルまで復活しました。
(洗浄液には重曹水や炭酸水を使用)

当初は「超音波洗浄器なんていらない。汚れは油の焦げなんだから、重曹水の漬け置き&煮沸だけで十分でしょ。」ってな考えだったのですが、それを改める結果です。

超音波洗浄機
▲購入したのはツインバードEC-D513W

  • アマゾンで3900円前後で売られているヤツ。かなり安物の部類。
    結構壊れやすく、乱暴に扱うと1~2年で寿命らしい。
  • 大きさは眼鏡が入る程度。
    メガネ用と腕時計&アクセサリー用のホルダーが付属してる。
  • スイッチはON/OFFの二つのみ。細かな操作は出来ない。
  • 内側の水槽が外れない・外側に防水加工していないので、水を捨てる時・洗う時はチョットだけ注意する事。
  • 一回の洗浄時間は3分でオートストップ。(OFFボタンで3分経つ前に切る事も可能。)
  • 華奢な製品なので、連続使用は避ける事。3分洗浄したら5分休ませる必要があるらしい。
  • 超音波の振動周波数は42000hz固定。

業務用だと30分~1時間連続で稼動できたり、内部の水を循環させる事が出来たり、超音波振動周波数を可変できたりするらしい。しかしそれらは5万~10万円するシロモノ。

使ってみた所、一般家庭で利用する分には数千円の製品で十分な感じ。
機器の頑丈さや連続稼動出来るかどうか以外は、個人用途には必要ない様に思えた。
個人的に欲を言えば10分連続稼動したら便利かなーって所だけど、それ以外は満足出来るモノでした。

 

清掃が面倒な場合、小物を洗浄する場合のTips

手抜き技
▲超音波洗浄器の清掃が面倒な場合は、上記の様な使い方でもOK。

内部シンクには普通の水を入れ、その中にプラスチックのコップを入れる。そしてその中に中性洗剤や特殊な洗剤を入れて洗浄。
10円玉でテストして見た所、コップの中と外で洗浄力に殆ど差はありませんでした。
コップの中に洗浄物を入れても、十分汚れは落ちる模様。
(ステンレスの水槽内に酸・アルカリなどの洗剤は入れないよう取説に書いてあります。)

これなら使用後のお手入れも楽チン。

10円玉で実験

まずは水道水だけで洗浄してみます。

超音波洗浄実験1

まずは比較的新しめの10円玉(平成十八年)を洗浄機に投入。
(右側の10円玉は洗浄しません。比較用の同レベルの汚れの10円玉。)
3分洗浄を3回行ってみました。

結果
結果
▲洗浄後の写真。
写真に写すと解り難いモノになたので少し加工。
赤色に着色した辺りの汚れは落ちませんでしたが、それ以外の部分はピカピカになりました。
そして文字や模様の細かな模様が付いている所からドンドンキレイになっていくカンジ。
(洗浄にムラがある理由はこのページの下の方で解説)

これは期待できそう。

 

古い10円玉
▲今度は古い黒くなった古い10円玉(平成四年)を用意。これは落ちるかな?

こんなカンジ
▲水道水のみで3分X3回洗浄してみました
写真では結構汚れが落ちたように見えるけど、これは光の加減。
殆ど汚れやサビは落ちませんでした。
(文字や葉っぱのデザイン部分のみキレイになった感じ)
解ってはいたけれど、超音波洗浄器はサビを落とすモノじゃぁありませんね(^_^;

ここまでのまとめ:
超音波洗浄は、手垢や油汚れは良く落としてくれるが、サビは落としてくれない。
音波のエネルギーが集まり易い所(平らな所より凸凹した所、狭い所)から汚れを落としてくれるっぽい。

 

ここでチョット思案。
炭酸水は弱酸性で、サビが落とせる。二酸化炭素の発砲でキャビテーション効果が期待できる。
ちょっと試してみよう。。。

超音波洗浄器+炭酸
▲効果抜群でした! (左は比較用で同レベルの汚れ&サビで未洗浄品)
3分X1回でご覧の通り。すごい!
ただしもの凄い泡が出るので注意して洗浄する事。

ちょっと洗浄にムラがあるけれど、あと2~3回洗浄すれば新品同様になりそう。
(注:超音波洗浄使わなくても、炭酸水に30分以上漬けておけば同程度までサビだけなら落ちるはず)

 

個人的にはここから本番

私が超音波洗浄器を購入した目的は、電子タバコのアトマイザーを洗浄するため。

手持ちのアトマイザー4個が既に
   「重曹水漬け置き」≫「クエン酸水溶液に漬け発砲」≫「重曹水で煮沸」
を繰り返しても
   「風味が復活しない」、「乾いた煙しか出なくて口の中パサパサになる」
ような状態。はっきり言って使い物にならない、ご臨終に近いレベル。

コイツらを重曹水に30分ほど漬け置きして、そのまま重曹水で超音波洗浄開始。

洗浄中
▲3分X1回。
その後クエン酸を加えて炭酸水に変化させ、更に3分X1回の超音波洗浄を行いました。

黒い粒粒が。。。
▲洗浄後、コップの中には黒いツブツブが沢山・・・!
今まで落ちなかったフィラメント部分のコゲが一斉に落ちたのか!?

アトマイザの塗装はげ
▲いいえ。黒いツブツブは塗装が剥げたモノでした。残念。(笑)

この塗装のハゲは4個中2個のアトマイザで発生。
既に塗装面にキズがある場合に、そこから徐々に剥がれて行く感じ。
今までの重曹水の煮沸洗浄では塗装が剥げる事は無かったので、やはり相当のパワーで洗浄してくれている事になる。

ここで注意というか個人的意見
重曹水+クエン酸の炭酸水で出来る泡は、洗浄するのに適切な大きさの気泡かどうか不明。重曹水を60度~80度にして得られる重曹電解水が発生させる泡(これも二酸化炭素)は非常に小さく、ひょっとするとコチラの方が効果が高いかもしれない。そのうち試してみる予定。

アトマイザー復活

最近1週間で相当の無茶を行い、寿命を迎えていたと思われるアトマイザー達が、全て新品の状態まで復活しました。(無茶した記録1記録2

プラスチックを溶かしちゃったアトマも、La Franceの強烈な臭いが取れなくて困ってたアトマも、ひと吸い目から口が渇いて仕方が無い状態だったアトマも、全部が完全復活。想像以上の結果でした。

数日前に注文してた新品のアトマが届いたので、そちらと吸い比べて見ましたが、風味・ドロー共に同等と言って良いレベル(甘さという点でのみやや劣る状態だが、これは洗浄不足で重曹が残っちゃったっぽい風味)

ちなみにグラスファイザーの切れたアトマも、新品と同様に吸えてます。何の違いも感じません。あの白い繊維は何の役目しているんだろう・・・?(^_^;

アトマ復活し過ぎで困る一面も(笑)

通常の洗浄では取れなかった「前のリキッドのニオイ」が取れた。そして気が付いた。
一つのアトマでずっと同じリキッドを使う場合は、洗浄しても多少は洗浄前のリキッドのニオイが残っていた方が風味が良い。新品同様に戻ったアトマは味が薄い。昨日入手した新品アトマも味が薄い。丸1日使用した頃に、ようやく良いカンジの風味が戻ってくる。。。

ブルシグSTEEL TOBACCOとLa Franceの二つ、
かなりお気に入りで毎日大量に吸っていたんだけどアトマ超音波洗浄したら味が薄くなりました。今までアトマ内で味が煮詰まってて、それがモトになって非常に濃い風味を楽しんでいた模様。

やや風味が落ちるまでは(私の場合3日に一度)で普通の洗浄を行い、2~3週間に1度のペースで超音波洗浄を行うのが 私の場合は良いかもしれない。

 

ま、なんだかんだで超音波洗浄器は良いお買い物でした。
想像以上に汚れを落としてくれます。


本文ここまで。
以下、超音波洗浄器を購入する際に検討した内容とか。


 

超音波洗浄器を選ぶ際に悩んだ所

一番気になる所は「コレで本当に汚れが落ちるのか?」「超音波の振動周波数と洗浄力にはどのような関係があるのか?」の2点だが、一般家庭向けの超音波洗浄機は振動数42Khzのモノが圧倒的に多いようだ。

超音波洗浄器選び方
▲上記リンク他、様々な文献を読むと、超音波洗浄器の洗浄力はやはり振動周波数と関係がある事が解る。簡単にまとめると

  • 周波数が低い(28kHz近辺)場合は、キャビテーション(水圧の変化で気泡が発生する現象)が発生しやすく、それにより洗浄力が強くなる傾向があるようだ。
    但し、「洗浄にムラが発生しやすく素人には扱いが難しい」または「水に流れをつけてムラを分散させる」などの対策が必要
  • 周波数が高い(100kHz以上)場合は、微細な汚れを落としたり、ムラ無く洗浄する機能を持っているらしい。但し、洗浄力はチョット弱め

ってな感じで、通常は40Khz近辺の振動周波数の製品が作られる。
洗浄力や均一に洗浄できるかどうかなどのバランスが取れている周波数がこの40Khz近辺なんだと思われる。

超音波洗浄器の原理 どうやって超音波洗浄器は汚れを落とすの?
▲これも勉強になる。
汚れが良く落ちるポイントは40000hzの振動なら19mm間隔で存在しているらしい。先の10円玉実験で汚れが落ちていないポイントがあったのはそのせいかも。
複数回洗浄する場合は、洗浄物を1cmくらい移動させてから再スタートするのが良いかも。

超音波洗浄器を使用する際の注意

一般家庭用とは言え、超音波洗浄器の洗浄力は強力。
プラスチックレンズのメガネ、メッキされた金属、べっこうや真珠、宝石の付いたアクセサリーなどは、キズが付いたり外れたりしてしまう。メガネの小さなネジが緩んで取れてしまうことも。

購入する前に、商品に記載されている注意事項(XXXXには使えません等々)はじっくり読んでおく事。

 

とりあえず私もアトマイザーの塗装をバキバキに剥がしてしまい、これを実感。
超音波洗浄は小さな隙間にエネルギーを集中させて汚れも掻き出してくれる。
そのエネルギーたるや、3000~4000円程度の安物でもハンパじゃない。
洗浄力が強烈な分、貴金属類などには注意して利用しないと大変な目に合う。

以上。

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追記:アトマイザーの効率の良い洗浄方法

電子タバコのアトマイザーを洗浄する時は、アトマイザーを立てて置いておくと洗浄力がアップするみたい。

超音波洗浄器
▲何度か使ってて解ったが、内側のプラケース等使わず、中央の丸く凹んだ部分に立てて置くのが一番洗浄力が高かった。この場合はただの水で十分汚れが落ちる。中性洗剤とか、アルカリ電解水とか、全く必要なし。3分1回でOKだった。