昔々のお話です。

20代前半。大卒が社会人になり、高卒組にはチラホラと結婚する友人が現れる年齢の頃のお話。

罰ゲームではないが、血気盛んな私たち仲良しグループは結婚披露宴の友人代表の挨拶や余興で何かしたい のである。

何かやりたい。とにかくウケれば何でも良い。

と云う危険な思考回路の元、様々な案を練った。

結婚式場でバイトした経験のある者のアドバイスにより、キケンなネタ は飛び入り参加でなければ却下の可能性が高い事を聞き、入念に作戦を練った。

そして出た答えが「披露宴の余興にカラオケタイムを設けてもらい、そこに飛び入り参加の形で余興を行う」事である。もちろん新郎の好きな歌を事前にリサーチ。

そしてセレクトされた曲は以下2曲。

 

バービーボーイズ:目を閉じておいでよ
目をぉ~閉じておいでよぉ~カオがヤツとぉ~にてるならぁ~

デビルマンのうた
だぁ~れも知らない知られちゃいけ~ないぃ~
デビルマン
がだ~れぇ~なのかぁ~

 

うむ。非常に結婚式にふさわしいカオスな曲だ。

もちろん新郎には「オマエの好きな曲歌ってやるよ」とだけ告げて、曲名は伏せていた。これは楽しみ。

そしていざ結婚披露宴。式場の黒服さんがリクエストを各テーブルに聞いて回っている。もちろん我々のリクエストはバービーとデビルマン 。一瞬、黒服さんの眉間に青筋が立ったのを見逃さなかったが、そんなコトは関係ない。あとは曲の順番が回ってくるのを待つだけだ。

オレのパートはデビルマン。バービーの時は新郎の前で身悶える役だ。
さぁ来い!いつでもカマン!

・・・・

・・・・・・・・・

順番回ってこねぇよ(つД`)

 

闇に葬られてしまいました。

 

仕方ない。この計画は2次会に持ち越しだ・・・!

我々は仕切り直しを決意し、二次会開場へ向かった。

しかし、そこにも思わぬ難関が。

別の友人が、RCサクセションの「雨上がりの夜空に」を歌ったのだ。
こんな夜にぃ~オマエに乗れないなんてぇ~!
こんな夜にぃ~発射できないなんてぇ~!

これだけで場内がドン引きです(´Д`;)

もっとエグイ歌を用意している我々の立場は如何に・・・・!
もうリクエストしちゃってるよ!

結果:幹事さんが上手いことやって、誰にも気が付かれないままに・・・・

バ ー ビ ー と デ ビ ル マ ン は 闇 に 消 え ま し た

 

まぁ、普通に考えれば非常識極まりない話です。

学生時代の宴会のノリは社会人になったら通用しません。
でも、新郎新婦が主役になるようにストーリーを組めばかなりキワドイ下ネタもおめでたい話になって披露宴でもOKになるんですよね。

車メーカに勤めた友人の結婚披露宴に出たとき、会社の上司が「保証書!当社の製品(新婦)は高性能で、毎晩乗っても大丈夫!」 なんてやり出した時、私はドン引きしたのですが、場内は大いに盛り上がっていました。

学生と社会人の感覚の違いか、場の空気を支配する力の違いか、何年か経つうちにその辺が自然とわかって来るようになるのですが、非常識な事がカッコイイのは中学生から社会人になるまで。

大人になってからは、非常識な行動は不可能ではありませんがその人に学生時代と違ったバランス感覚が求められます。この春から新社会人になった皆さん、頑張ってね。